情報検証研究所のブログ

オンラインサロン「ファクトチェック機関「情報検証研究所」」の活動や検証報告を公開します。

情報検証

【検証:海洋放出に対する世論の変化】 ~「世論調査」はやり方次第で「世論操作」に~

福島原発の事故処理に伴う「トリチウムを含んだ水(処理水)」の海洋放出については、国内外で宣伝戦が繰り広げられております。これは実際に放出が開始される2年後まで、まだまだ紆余曲折がありそうです。妙な「風」や「空気」に流されないよう、今後も継続…

【中国ホワイトプロパガンダの研究】 ~「戦狼」趙立堅氏が紡ぐ「中国の物語」を読解~

ここ最近、中国の常軌を逸した広報活動が目立ちます。在日中国大使館がツイッターで米国を「死神」に模した風刺画を掲載し、中国版ツイッターでは「中国の点火vsインドの点火」として中国ロケットとインドの火葬の写真を並べるなど、それら品位に欠ける言動…

【意義深い閣議決定:「慰安婦」の適正表示】 ~山川教科書は将来「従軍」を削除するか~

報道によれば本日(4月27日)、政府は「従軍慰安婦」や「いわゆる従軍慰安婦」という用語を使うことを不適切であると、閣議決定しました。 ”政府は27日の閣議で、政府としては「従軍慰安婦」という用語を用いることは誤解を招くおそれがあることから「従軍慰…

【トリチウムだけじゃない! ALPSで除去できないモノ】 ~日本は今こそ自己変革を~

福島原発のトリチウムを含む水の海洋放出について、想定通り国内外(中韓)の反発が続いております。福島の漁業関係者が反対することは深く理解できますが、中国の反発が長引く点は想定以上でした。しかし、それらが主張する反対理由は、科学的な観点からは…

【要注意:中国の「処理水放出日本下げキャンペーン」】

中国の宣伝戦が止まりません。「トリチウムを含む水」を海洋放出する日本の決定に対して、中国はほぼ連日、悪印象を植え付けようとする宣伝活動を展開しております。 ◆ 中国による情報配信状況の一端 CGTN、チャイナネット、環球網(環球時報)などを継続ウ…

岸博幸先生がトリチウム/処理水問題を超わかりやすく解説!!

テレビでおなじみの岸博幸先生(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)にトリチウム/処理水問題について、分かりやすく解説頂きました!! ぜひご覧ください!! また、下記に岸先生に作成頂いた資料も添付いたします。 youtu.be ① ② ③ ④ ⑤ <オンライ…

【「白髪三千丈」の国、中国 】 ~諸問題の源泉(基因)は文化的差異~

福島原発の「トリチウムを含む水」に関する中国の政治的広報戦は想定の範囲内の動きです。しかし、活性期間がやや長く、言及する対象が拡がる傾向も見られます。その背景は何でしょうか? 例えば、中国のホワイトプロパガンダサイト「チャイナネット(※)」…

【提案:「炭素格付け機関」や「公認炭素会計士」の提唱を】 ~「脱炭素」は「言葉の黒魔術師」たちとの戦いだから~

オイルショック以来省エネに努力しつづけ、世界に占めるCO2排出比率がたかだか3%の日本が、更に26%削減しても世界の0.8%しか削減効果がありません。その一方で、世界最大のCO2排出国(約30%)である中国は、「2030年に排出量をピークアウト(※)」という…

【福島「処理水」海洋放出に関する海外報道】

◆ 中国 中国では、実質的には政府広報機関と考えられるCGTNは見出しで、次のように伝えております。 ”China calls for Japan's cautious decisions on Fukushima wastewater”(「中国は日本に対して、福島廃水に関しては慎重な決定を求める」という趣旨でし…

【「安全でも安心できない気持ち」とは何か】 ~「浜までは海女も蓑着る時雨かな」~

副題は俳人滝瓢水(たき・ひょうすい)が詠んだ句です。滝は、海運業で豪商だった家を潰すほど遊び、風流を極めて悟った人とされていました。この句は、直接的には「海女だって仕事の直前までは雨に濡れたくはない」という気持ちをうたっております。しかし…

【提案:風評対策“Go fishing in Fukushima”の創設を】

いよいよ、福島原発に貯蔵している処理水を海洋放出する時期が来たようです。 NHKでは、「来週(筆者注:4月11日(日)~17日(土))にも海への放出を決定する方向」という具体的な時期まで報じているので、放出が決定される可能性も高いのでしょう。 “東京…

【静かだが画期的な勝訴「篠原孝議員の名誉毀損認定」】      ~事実無根の「報道の暴力」に乗じた国会議員への賠償命令~

かつて毎日新聞は原英史さんに対して事実無根の中傷報道キャンペーンを単独で展開しました。それを真に受けた篠原孝衆議院議員は「報道の暴力」である毎日新聞の記事を根拠に、自身のブログ上で事実無根の論考(原さんへの誹謗中傷)を展開しました。これを…

【「科学的」とはどういうことか】 ~事例検証:「酸性雨で森が枯死」仮説~

近年「脱炭素」が連呼され、「CO2(二酸化炭素)」が、その温暖化効果で地球環境を破壊する」説が「科学的な事実」として世界を主導しております。それが「科学的」に考慮した場合に妥当な見解なのかどうか、私には良くわかりません。つまり肯定説であれ否定…

【自動車LCA規制の罠】 ~「中国・欧州LCA規制」≒「ブロック経済圏」戦略~

今、自動車業界は大変な時代を迎えております。日本は極めて劣勢に立たされているように見えますが、国政の場ではあまり論点になっていないようです。一体どうなっているのでしょうか。 まず、自動車業界についての情報を読み取る上でミスコミュニケーション…

【エネルギー政策のリーダー不在こそ本当の「緊急事態」ではないか】 ~司法判断に翻弄される再稼働~

原子力発電所の再稼働に重要な影響を持つ2つの訴訟に対して、3月18日、真逆の司法判断が下されました。 広島高裁は、伊方原子力発電所3号機(四国電力、愛媛県)の運転停止決定を取り消し、水戸地裁は、東海第2原発(日本原子力発電、茨城県)の運転差し止…

【「虚構で虚像を粉飾」するニューヨークタイムズ】 ~物語がいつしか「真実」に仕立てられて行く~

クーリエジャポンに掲載されたこの記事には、実態のない虚構が「空中に刻んだ幻の階段」を上って行き、いつしか「真実」となって行くからくりを見る思いです。 news.yahoo.co.jp 添付した記事でMotoko Rich氏が紡ぐストーリーでは、その出発点(:前提事実)…

【原発再稼働に向けた環境整備を】 ~緊急時に設定した基準と国民の心象風景を更新するために~

細野豪志議員が著した「東電福島原発事故 自己調査報告」を読みました。 東電福島原発事故 自己調査報告 - 徳間書店 (tokuma.jp): https://www.tokuma.jp/book/b558046.html 事故に対応した当事者たちの証言(対話形式)が多数掲載されており、迂闊に要約も…

【国連科学委員会報告書は日本にとってチャンス】 ~福島第一原発事故 「将来の健康影響可能性低い」~

国連科学委員会は、10年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響について「被ばくが直接の原因となる健康への影響が将来的にみられる可能性は低い」と報告しました。 この報告書は、日本においてもっと大きく報道して頂きたいと感じます。 NHKによ…

【中国の「世論戦」に巻き込まれる日本とIOC】 ~中国ワクチン外交は「三戦」戦略の一環だろう~

オリンピック・パラリンピックでは、そのオリンピック憲章において「政治的中立」を謳っております。しかし過去を振り返るならばその実態は、開催や参加自体が「政治的メッセージ」を帯びた国際行事となっております。今回の東京大会もまた、その色合いが強…

【産業構造の転換は急務】 ~「脱炭素」が苦境の国内製造業にとどめを刺すのか~

国内鉄鋼最大手の日本製鉄が、製鉄所の2基ある高炉のうちの1基を休止すると発表しました。何が起きているのでしょうか? NHKの報道によれば、 ”…一連の生産体制の見直しで、国内の生産能力はおよそ20%削減されます。(略)これについて日本製鉄では、国内の…

【注目の国会答弁:菅総理「原発ゼロ厳しい」】   ~エネルギー政策の実現可能性が見えた~  

菅総理は3月3日、参議院予算委員会で原発に関する野党質問に対し、「原発ゼロで最適な政策を実現するというのは極めて厳しいと思っています。」と答弁しました。この「原発ゼロ」の否定は、重要な意味を持つ政策方針の表明と考えます。 ◆ 明瞭な「カーボンニ…

【日本におけるウイグル問題】

中国当局によるウイグル弾圧(「ジェノサイド」)問題に対し、いよいよ日本も正視せざるを得ない時がきたのではないでしょうか。 THE SANKEI NEWSの報道によると、 “国民民主党は2日、人権外交と経済安全保障に関する研究会の第2回会合を国会内で開き、中…

【日本は「誤訳」を放置しない方が良い】 ~紛らわしい発言が「女性蔑視」に濃縮される仕組み~

森前会長の発言が、朝日新聞に報道され、それを一部「誤訳」した記事がニューヨークタイムズ(NYT)他に掲載されました。 これが“お墨付き”となり、「女性蔑視的と受け止めら(誤解さ)れてもおかしくない発言」は「女性蔑視発言」にまで「濃縮」・確定され…

【森前会長の謝罪会見の敗因と改善点抽出】

森喜朗前会長の評議員会挨拶(2月3日)が問題視されたその翌日(4日)、一層の“炎上”を抑止するために、“初期消火”を企図した記者会見が急遽開かれました。しかし「不適切な発言」を撤回のうえ謝罪した会見は、その目的が全く達成できなかっただけでなく、そ…

【資料:森会長謝罪会見文字起こし(逐語録)】 ~これは映像と音声を確認しないと見誤る~

女性蔑視としてメディアで問題視されている森喜朗会長(東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会)の失言ですが、発端となった2月3日の話の当該部分は、確かに不適切で全く擁護の余地のないものだと考えます。しかしその翌日である4日、森会長が記者…

【総理「失礼じゃないでしょうか」、実相は如何に】 ~言い方は失礼だが追求内容は価値あり~

◆ 希代のBoomeranger蓮舫議員 「どの口が言うのか」という議員は数多いですが、中でも蓮舫議員の放つ「ブーメラン」はひと際大きく、切れ味鋭く、高い命中精度で自らに刺さっています。しかし刺さったことに不感症なのか、表情や行動が変化することは全くな…

【判断が難しい緊急事態宣言の継続・解除問題】 ~今回の「意思決定」を主導するのは和魂か洋才か~

「緊急事態宣言(以下「宣言」)は、予定通り解除すべきか否か」、この判断の基礎となるCOVID-19の現在の流行状況は、「宣言発出」当初期待されたほどでは無いようです。 ◆ 今回の緊急事態宣言解除の判断は難しい 緊急事態宣言解除予定の2月7日は、本日(1月…

【年末年始の検査数変動による陽性者数推移への影響】 ~年末年始抑制分が1月5日分を5割押し上げた可能性~

首相官邸のウェブサイトによれば、菅総理は1月7日、 “ 「年末年始からの感染者数は極めて高く、本日、東京では2,400人を上回るなど、ここ最近、全国的に更に厳しい状況となっており、強い危機感を持っております。(略)これを踏まえ、特別措置法の規…

【一都三県と北海道の対応を比較】 ~COVID-19対策、まずは各知事がベストを尽くせ~

NHKの報道によれば、 “東京、埼玉、千葉、神奈川の知事が2日、特別措置法に基づく緊急事態宣言の発出を速やかに検討するよう要請したのに対し、西村経済再生担当大臣は飲食店への営業時間短縮の要請を午後8時までに前倒しすることなどを求めました。(NHK特…

【注目:イギリスの感染者数】 ~「指数関数的」な増加期~

イギリスでは、昨年11月には減少傾向にあった感染者数が、12月に入ってから増加に転じ、最近では新規感染者数が5万人前後まで急増しております。現在の新規感染者数は55,157人(:厚生労働省報道発表資料1月4日版の数字)となっておりますが、何よりその傾き…