情報検証研究所のブログ

オンラインサロン「ファクトチェック機関「情報検証研究所」」の活動や検証報告を公開します。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【検証:BCG仮説とイラク】 ~BCG仮説を肯定も否定もしないが観察期間を長くとるべき~

COVID-19の感染状況は、世界各国によりまちまちです。3月末頃、その流行状況と各国のBCG接種に関する政策との相関性に着目して「BCGワクチンを接種している国では新型コロナウイルス感染による重症化または死亡が抑制されているのではないか」という趣旨の仮…

2020東京都知事選公約まとめ

7/5に投開票が行われる都知事選の主要候補の公約をまとめてみました。 【主要候補者】(五十音順)宇都宮 健児、小野 泰輔、小池 百合子、立花 孝志、山本 太郎 【テーマ】1 コロナ対応(感染症対策)2 コロナ対応(経済対策)3 オリンピック・パラリンピッ…

【産経FNN世論調査不正】 ~不正の背景は電話調査の採算性か政治的意図か~

6月19日に産経新聞社とFNNが自主的に発表した世論調査不正(架空データ混入)について。同業者同士の紳士協定があるのか、理由は解りませんが本件をあまり深堀していません。 www.sankei.com 読売新聞と朝日新聞は報じていましたが、他の報道機関は大きな反…

自民党提言「侮辱罪の厳罰化」は危険だ

木村花さんの事案をきっかけにネット誹謗中傷への対応を検討してきた自民党プロジェクトチームが16日、政府に提言書を提出した。発信者情報開示の円滑化、侮辱罪の厳罰化などを求めたことが報じられている。 www.jiji.com www3.nhk.or.jp 提言書は自民党ウェ…

企業での抗体検査の導入拡大はよいことなのか?

厚労省が実施した抗体検査で、東京0.10%、大阪が0.17%、宮城0.03%との結果が公表された。精度の問題はあるにせよ、「国内でほとんどの人がこれまで感染していない」ことは概ね間違いなさそうだ。日本で感染の広がらない要因は諸説唱えられているが、「東アジ…

【検証:読売5月「イージス断念」報道】 ~「それはフェイク!」と誤断するのもフェイク~

◆ 河野大臣が「フェイク」認定した読売報道はほぼ事実だった 2020年6月15日、河野防衛大臣は「イージスア・ショア配備計画の停止」を発表した。 “山口県と秋田県に配備することで進めてきたイージス・アショアでありますが、コストと期間に鑑みてイージス・…

【検証:新型コロナの逆コース】 ~ 中国⇒欧州⇒中東⇒南亜⇒? 反射波の到来か ~

2019年末に中国で確認され3月に欧州、4月から6月に南北アメリカ諸国に感染が広がっていったCOVID-19ですが、5月から6月にかけて一旦は「先進諸国」でのピークを迎えました。そのため、感染爆発の回避に成功し緊急事態宣言も解除された日本では急速に安堵の空…

東京ロードマップのチグハグな進行状況

東京都の新規感染者数は、6月14・15日と二日続けて40人を超えた。 直近一週間の十万人あたり感染者数は1.4人だ。それでも東京アラートは解除され、19日には休業要請が全面解除される方向だ。 5月の緊急事態宣言解除の際は、「一週間で十万人あたり0.5人」が基…

【続報:スウェーデンが再加速】 ~シームレスな第二波?~

「東京アラート」は発令も解除も不可解でしたが、スウェーデンや南米他諸地域においては真剣にアラートを発令すべき事態が静かに進展しております。今回は、スウェーデンの推移について続報します。 ◆スウェーデンの感染状況 スウェーデンの感染者数の増加状…

「安心のための検査」はどれぐらい安心か?

「安心のための検査」論が広がっている。 ハーバード大学倫理センターが4月に公開した“Roadmap to Pandemic Resilience”では、一日500万件の大量のPCR検査と追跡、隔離により、経済・社会活動の早期再開を目指す道筋を提言した。 https://ethics.harvard.…

ネット誹謗中傷を扇動した権力者の責任をどう問うか

政策工房は髙橋洋一氏が代表取締役会長、私(原英史)が代表取締役を務める会社だ。これをツイッター上で誹謗中傷した匿名アカウントがあった。6月8日、東京地裁に仮処分申立てを行い、発信者情報開示請求の手続きに入った。 このアカウントでは5月27日、持…

【イラン第二波第三波か】 ~原因は移動制限の解除か次の波か~

イランの感染が再拡大しておりますが、新規感染者数が前回ピークを越え始めました(グラフ1)。 また、自己計算ですが、低下傾向だったイランの日々のR(t)も1を超えた数値で反転再上昇の兆しが出ております。(グラフ2) 【文責:田村和広】 <メンバー募集…

【ブラジルはピークアウト間近か?】 ~ちょっとした風邪ではなかった~

約1か月前に「ブラジルは要注目」とお伝えしましたが、その後感染者数は大分増えました。自己計算したR(t)では、収束の兆しも見えておりますが再上昇の気配もあり、ピークアウトか一層の拡大かが読めません。 感染が収束してブラジル国民が苦悩の日々から一…

メディア掲載情報【2020年6月】

情報検証研究所の記事が以下メディアで掲載されました。 ▼【緊急生配信】京大のウイルス専門家を交え、コロナ対策の“成功と失敗”を徹底検証!【2020年6月27日 ニューソク通信社】 youtu.be ▼【SNSの誹謗中傷】法改正は「匿名」に対応するだけでは不十分!「…

【検証:ロックダウンに意味はあるのか】 ~ ロックダウンの肝はタイミング ~

「ロックダウンした諸国で感染が広がっているからロックダウンに効果はない」または「ロックダウンしてもしなくても感染が広がる」という言説がありますが本当でしょうか? 結論としては「間に合えば効果が高い可能性があり、間に合わなければ効果が低い可能…