【続報:スウェーデンが再加速】 ~シームレスな第二波?~
「東京アラート」は発令も解除も不可解でしたが、スウェーデンや南米他諸地域においては真剣にアラートを発令すべき事態が静かに進展しております。今回は、スウェーデンの推移について続報します。
◆スウェーデンの感染状況
スウェーデンの感染者数の増加状況は、グラフ1で分かる通り直線的に増加中です。しかしよく見ると、6月3日を境に最近9日間の増加ペースが一段上がりました。そこで、計算したのが表1の結果です。一日当たりの増加数は、最初の直線(2か月の平均)が540人/日である一方、傾きが急傾斜化した最近9日間では1,078人/日となり、ほぼ2倍の増加ペースとなっております。スウェーデンでは日々の報告数が曜日で大きくぶれるため、傾向を把握するために7日移動平均で新規感染者数の推移を捉えると、グラフ2の通り、やはり最近増加ペースが激変しております。そこで、R(t)を計算した結果がグラフ3です。やはり実効再生産数も明確に再上昇を示しておりました。
◆引き続き注意と備えが必要
集計方法を変更した可能性もありますが、純粋に感染ペースが上がった可能性もあり、その場合第一波が収束する前に切れ目なく第二波がやってきた可能性も考えられます。いずれにしても、世界的に見れば、この感染症は現在進行中であり、幸運?と自助努力の甲斐あって一旦収束状況を得た日本は、油断することなく、次の波に備えるべきでしょう。具体的には、一人一人の感染予防行為の習慣化を前提条件として、高齢者施設のクラスター予防、医療設備等インフラとシステムの対応力の縦深性などの改善が望まれます。また、4月7日発令(8日から対応開始)の日本の緊急事態宣言が不要だったとして、様々な言説が提唱されておりますが、何かを断定的に論ずるのは時期尚早と考えるべきと私は考えます。
飽きやすいのが人間ですが、この件は未だ道半ばと考え注意致しましょう。
【文責:田村和広】
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