情報検証研究所のブログ

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【検証アップデート:日本のCOVID-19流行状況10月24日】    ~日本の重症者数と新規陽性者数推移~

前回報告から約1週間しか経過しておりませんが、重症者数と新規陽性者数の推移について、要注意な兆しが出ておりますので、更新グラフを提出します(グラフ1参照)。
 


◆ 重症者数は微増傾向に転じる
10月5日の131人を底として、ここ三週間弱は穏やかながら上昇に反転しており、10月24日現在で155人になっております。引き続き上昇するのか収束に向かうのか、予想しにくい状況になりました。新規陽性者数が増加気味なので、微増が続く可能性も十分あります。
◆ 死亡者数も緩慢に増加中
死亡者数の推移(グラフ2)については、第一波に比べて“第二波”では、ペースは遅いですが未だに増加傾向が続いており、10月24日現在1,706人となりました。現在重症者数が150人台で微増傾向ですので、11月にかけても緩慢な増加が続く可能性は高いです。
 

死亡者数の累計については、第一波が4か月で972人、“第二波”は7月1日から10月24日で734人となります(ただし第一波を2~6月、“第二波”を7月~とする)。“第二波”以降は、第一波のおよそ75%の水準まで積みあがっており増加中です。
  
◆ 新規陽性者数のトレンドも要注意
一方、新規陽性者数のトレンドも要注意です(グラフ3参照)。
 
収束傾向だった“第二波”ですが、9月7日を境に新規陽性者数は横ばいで推移しており、これはもはや「波」ではなく持続的・定常的な推移に移行しました。全国的に薄く“火種”が拡がりなかなか消えないまま晩秋を迎えることになりそうです。
今後気温が低下し、呼吸器感染症の季節を迎えると、日本においても、欧州のような高水準の流行が起きるかもしれません。致死率が大幅に下がったことは安心材料ですが、感染の絶対数が増加すれば死亡数も増えることもまた事実です。
  
◆ 過度の不安も楽観も禁物
重症化する可能性や致死率が大幅に下がったことは安心材料ですが、感染の絶対数が増加すれば、比例して重症者と死亡者が増えることもまた事実です。高齢層にとってリスクは未だ高いので、引き続き感染症対策は大切でしょう。
  
(おわり)
  
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参考:新型コロナウイルス感染症対策分科会(第12回)資料

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona12.pdf

 

【文責:田村和広】

 


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