情報検証研究所のブログ

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【検証アップデート:日本のCOVID-19流行状況11月1日】 ~日本の重症者数と新規陽性者数推移~

前回報告から約1週間しか経過しておりませんが、重症者数と新規陽性者数の推移について、注意すべき兆候が続いておりますので、更新グラフを提出します(グラフ1参照)。

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◆ 重症者数は微増傾向に転じる
10月5日の131人を底として、ここ4週間弱は穏やかながら上昇に反転しており、11月1日現在で160人になっております。判断に迷いますが、新規陽性者数の微増傾向を考慮すれば、引き続き上昇傾向は続くと考えるのが合理的です。
 
◆ 死亡者数も緩慢に増加中
死亡者数の推移(グラフ2)については、第一波に比べて“第二波”では、ペースは遅いですが未だに増加傾向が続いており、11月1日現在1,766人となりました。現在重症者数が160人台で微増傾向ですので、11月も緩慢な増加は続くでしょう。

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死亡者数の累計については、第一波が4か月で972人、“第二波”以降は7月1日から11月1日で794人となります(ただし第一波を2~6月、“第二波”を7月~とする)。“第二波”以降は、第一波のおよそ81%の水準まで積みあがっており増加中です。現在のペースが続くと仮定すると、1週間でおよそ5%(50人弱)増加するので、計算上は11月末に第一波を超えることが予想されます。
現在の速度は、11月末から12月上旬で累計2,000人台に乗るペースです。本格的な国内の流行開始からおよそ1年となる4か月後の2月末時点で、2,500人から3,000人という規模になる速度です。現実には、このまま直線的な増加が4か月間続く可能性は少なく、途中でペースが変化して着地点が変わる可能性は十分あるでしょう。
  
◆ 新規陽性者数のトレンドは引き続き要注意
一方、新規陽性者数のトレンドは更に良くないシグナルが出ており要注意です(グラフ3参照)。

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収束傾向だった“第二波”ですが、9月7日を境に新規陽性者数は横ばいで推移し、10月20日頃からは更に加速し始めております。グラフ3の棒グラフ右側は、明らかに傾きの傾斜が急になっております。
また、第一波では、北海道が先行エリアとなっていち早く緊急事態宣言を2月28日に発出しましたが、大都市圏に緊急事態宣言が出されたのはそれから約5週間後の4月7日でした。
10月末頃より再び北海道で警戒感が高まっております。これを警鐘として全国でも改めて感染予防を徹底して参りましょう。
 
(おわり)
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参考:新型コロナウイルス感染症対策分科会(第12回)資料 

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona12.pdf

 

【文責:田村和広】

 


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