情報検証研究所のブログ

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【検証アップデート:日本のCOVID-19流行状況11月8日】 ~日本の重症者数・死亡者数・新規陽性者数 推移~

日本における新規陽性者が、連日1,000人を超える状況になりました。当面は注意喚起の意味を込めて、毎週アップデートして参ります。重症者数(実数)、死亡者数(累計)、新規陽性者数(7日移動平均)の推移について、更新グラフを提出します。
  
◆ 重症者数は増加期入り
10月5日の131人を二番底として、11月5日頃より、明確な増加ステージに入りました。8日現在重症者は196人となり再び200人越え目前の水準です。今後も増加が予想されます。
従来は、第一波と“第二波”の傾向について比較することに意味を感じていたのでグラフ1のように異なる二期を重ねて表示して参りました。一方(“第二波”というべきか“第三波”というべきか、今後の推移次第ですが)通期で表示した方が、トレンドの把握(予測)が容易な推移になって参りましたので、グラフ2のような2月26日からの一気通貫グラフに移行致します。

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◆ 死亡者数も緩慢に増加中
死亡者数の推移(グラフ3)については、第一波に比べて“第二波”では、ペースは遅いですが未だに増加傾向が続いており、11月8日現在1,812人となりました。現在重症者数が190人台で増加傾向ですので、11月も緩やかな増加は続くでしょう。

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死亡者数の累計については、第一波が4か月で972人、“第二波”以降は7月1日から11月8日までで、840人となります(ただし第一波を2~6月、“第二波”を7月~とする)。“第二波”以降は、第一波のおよそ86%の水準まで積みあがっており引き続き増加中です。現在のペースが続くと仮定すると、1週間で5%(50人弱)増加するので、計算上は11月末頃に第一波を超えることが予想されます。
また現在の速度は、11月末から12月上旬で2,000人台に乗るペースです。本格的な国内の流行開始からおよそ1年となる4か月後の2月末時点で、2,500人から3,000人という規模になる速度です。現実には、このまま直線的な増加が4か月間続く可能性は少なく、途中でペースが増加して着地点が(上方に)変わる可能性は十分あるでしょう。
 
◆ 新規陽性者数のトレンドは引き続き要注意
一方、新規陽性者数のトレンドも明確な増加期入りです。グラフ4の棒グラフ右側は、明らかに傾きが増加して傾斜が急になっております。移動平均なので急増期にはやや遅行指数となりますが、実数では1,000人を連日越え始めました。夏の“第二波”に比べ、検査体制が拡充していることやスタート位置が高いことからも、8月のピークを越える可能性は高いでしょう。万一、国民全体が“予防疲れ”や“警戒疲れ”を起こしていると仮定するならば、年末にかけてこの増加の勢いはしばらく続く可能性は十分あります。その場合、一桁多くなる可能性も否定できず、陽性者数の増加に連動して重症者数が増える場合には、受入キャパシティに再び注意が必要です。
 
この想定が杞憂におわることを心より祈ります。
 
(おわり)
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参考: 厚生労働省報道発表資料「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年11月8日版)」 

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14694.html

 

【文責:田村和広】

 


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