【福島「処理水」海洋放出に関する海外報道】
◆ 中国
中国では、実質的には政府広報機関と考えられるCGTNは見出しで、次のように伝えております。
”China calls for Japan's cautious decisions on Fukushima wastewater”(「中国は日本に対して、福島廃水に関しては慎重な決定を求める」という趣旨でしょう。)
この件に関しては、「中国がどう考えているか」という視点からの、プレスリリースのような「報道」です。また本文では「近隣諸国との完全な協議に基づく決定」を要求しております。
”decisions based on full consultation with neighboring countries”(上記サイトより)
日本政府には、くれぐれも「歴史戦」「教科書問題」のような発展をしないよう、科学に基づく透明な情報開示を行い、正々堂々と渡り合って頂きたいものです。
◆ 韓国
昨日の情報ではあまり反応しておらず、早ければ13日とされる正式決定の段階でどのような報じ方をするのかに引き続き注目します。因みに、4月8日段階の中央日報では、
”日本「福島汚染水放流」決定議論が最終段階に…漁民団体は引き続き反対”
との表題で、事実を静かに報じております。
◆ 米国
米国の新聞からは、殆ど注目されておりません。ワシントンポストで次のような報道を発見しました。
”Japan to announce Fukushima water release into sea soon”
と題し、内容は冷静にやや詳細に(本文は39行)状況を解説しております。ただし、掲載は”Asia & Pacific”なので、注目度は高くないでしょう。
◆ ドイツ
ドイツでは、本件報道はまだ発見しておりません。福島と言えば五輪聖火ランナーの報道くらいです。(おそらく私が発見していないだけであると想像します。)
◆ まとめ
世界中のメディアを網羅出来てはおりませんが、要するに「福島の事故由来のトリチウムを含む処理済水の海洋放出」について、海外では殆ど注目されていないと言っても過言ではないでしょう。あとは中国と韓国の「日本下げ」活動だけに注意すればいいのではないでしょうか。
現段階の状況であれば、
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国内の漁業関係者の窮状に配慮すること
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透明性を確保した情報配信に注力すること
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科学合理性を無視する一部のメディアに注意すること
この3点を守れば、「政治的合理性」を担保した形で、問題なく海洋放出は進められるでしょう。
(おわり)
【文責:田村和広】
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