【ブラジル大統領がコロナ陽性】 ~やはり“ちょっとした風邪”ではなかった~
ブルームバーグの報道(7月8日)によれば、ブラジルのボルソナロ大統領は、新型コロナウイルスの検査で陽性となったということです。
◆ 世界で2番目の感染者数(7月7日現在)
今から2か月前の5月2日からブラジル大統領の動向とブラジル国内の感染の広がりには着目して参りました(※1)。主に貧困を理由として他国のようには“ロックダウン”を実施できなかったと考えておりますが、結果として7月7日現在、162万人の感染者と65,487人の死亡者を出しております。(グラフ1~4)
地方政府はかなり厳格な規制を行おうとし、それを非難するボルソナロ大統領との見解の相違から、ブラジルは不統一な対応になっていたと想像しております。
◆ 収束のサイン
現在も日々2万人を超える新規感染者が確認されておりますが、そのピークは実は6月下旬頃となり、約4万人(平均)です。移動平均で計算した(※2)実効再生産数R(t)で見ても徐々に1に近づいており(グラフ5)、これは収束が近いことを示唆しております。
これでピークアウトか再度増加傾向に反転するかは全く読めませんが、このまま沈静化し、収束に向かうことを祈ります。しばらく厳しい状況は続くと思われますが、スウェーデン型の穏やかな収束を迎えるのではないかと個人的には予想しております。
◆ 感染された方全ての回復を
ブラジルの人口は、約2億1千万人であり、感染が確認された162万人は、国民の約0.8%にあたります。死亡者数も累計6万5千人であり、未だ約1,000人前後の方が毎日亡くなっておりますので、ボルソナロ大統領が言っていた“ちょっとした風邪”ではなかったと言えます。
ただし、現在までの世界各国の対応が妥当だったか過剰反応だったかは、現時点では未だわかりません。例えばスウェーデンやブラジルが、いっとき過酷な状況に直面しても、その後は足枷を外した状態で復興に邁進できるようになるかもしれません。
感染するといかに苦しい病なのかは、体験者が様々に伝える通りだと思います。
全ての方の快癒を祈ります。
※1 “【ブラジル:“感染爆発”期入りの兆し】 ~大統領は“ちょっとした風邪”という見解~”(5/2投稿)
※2 厚生労働省が発表する報道資料からブラジルの感染者数と死亡者数のデータを集計し、筆者が簡易モデルに基づき計算した数値であり、公的な機関の発表数値ではありません。参照、引用などに際しては取り扱いにご注意ください。必ずご自身で確かめた上でのご活用をお勧め致します。
【文責:田村和広】
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