【検証:介入効果比較 「DP」と「ある施設」】 ~介入は拙速を貴ぶ~
今回は、ダイヤモンドプリンセス号(以下DPと表記)と、ある高齢者施設について、公的機関による介入の前後で感染状況に変化があったかどうかを検証します。その後、介入のタイミングについても検討し、介入のタイミングについても考察します。
◆ 最初に結論
DPでも高齢者施設でも、介入には大きな効果がありました。しかしながら既に感染が過半数に達した状況で介入しても、感染数の増加を抑制する効果は小さいようです。今回調べた事例に関して言うならば、DPは間に合った一方、高齢者施設では間に合わずに感染を広げてしまったと考えます。
今後の対策のための教訓は次の通りです。
集団を形成する施設においては、
1:感染の初期シグナルを見逃さず鋭敏に探知すること
2:行政側は通報を受けたらすみやかに指導者を派遣しコントロールしてもらうこと
この2点の機能を整えることが肝要でしょう。
◆ 感染日の推定方法
◆ 介入による、感染抑制効果の有無
◆ タイミングの問題
◆ 印象的なやり取り
上記の施設の報告書を読むと、強く印象に残る残念な状況が記載されております。
などです。行政側の初期対応が上手くできていなかった印象があります。
◆ まとめ
① 介入による感染抑制の効果はある
② DPでは特に、日本の対応者は素晴らしい働きをしていた(約8割の人間の感染を防止した)
③ この高齢者施設では残念ながら、初期対応が遅れ感染が大きくなった
④ 高齢者施設のクラスター対策は重要
⑤ 感染抑制のためには介入は「拙」でも「速」が何より肝心
⑥ 感染の初期シグナルを捉える「センサー」感度は鋭敏を保つべし
(おわり)
【参考サイト】
国立感染症研究所サイトより、DP関連の公開資料:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9410-covid-dp-01.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9597-covid19-19.html
厚生労働省 報道発表資料:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12154.html
【文責:田村和広】
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