【仮説:新規感染者数は新規死者数の先行指数】 ~イタリアでは新規感染者数と8日後の死者数に強い相関がある~
イタリアにおける2月24日以降の(1日当たり)新規感染者数の推移と、その8日後(3月3日)以降の(一日当たり)新規死者数の推移グラフを作成しました。
◆ イタリアのCOVID-19新規感染者と8日後新規死者推移
(添付のグラフをご覧ください。)
※ 横軸は経過日数(起点:新規感染者2月24日、新規死者3月3日)
※ 縦軸は人数(単位:人。ただし、新規死者数は4倍して目盛を統一)。数値に開きがあり、2軸は不便なので死者数を4倍してグラフにプロット(両数値の平均倍率は4.1なので4倍とした)。
※ 元データ:Dipartimento della Protezione Civile(市民保護局)の報道資料から集計
http://www.protezionecivile.gov.it/media-comunicazione/comunicati-stampa
その結果、新規感染者数と8日後新規死者数には、強い相関がありそうなので、両者の散布図を作成し相関性を検証しました。それが次の散布図です。
◆相関性の確認:新規感染者数と8日後の新規死者数についての散布図
(添付の散布図をご覧ください。)
※ 縦軸は新規死者数(単位:人)、横軸は新規感染者数(単位:人)
相関性の判断についての結論としては、R2(R二乗) =0.8259なので両者には相関関係があると判断しました。
次に、これを基に、来週のイタリアの死者数の予測を計算しました。
◆今週のイタリアについて(ご注意:あくまでただの類推計算に過ぎません。)
イタリアの4/12から4/18の一日当たり新規死者数平均の予測は、449人(/1日)、累計では3,143人(/1週間)程度になる見込みです。
◆イタリアの傾向
新規死者数
先週:一日当たり平均587人、累計4,106人
今週:一日当たり平均449人、累計3,143人(共に見込み)
一日当たり平均で138人(≒23%)減少、累計で963人(≒23%)減少見込み。
※4月11日までの1週間の新規感染者数を4.1で割り今週の新規死者数推移を予測した。
イタリアでは、実は3月28日以降、2週間にわたり沈静化傾向が継続しております。
今回の計算によれば、先週まで新規感染者が減少していたので今週の新規死者数は2割程度減少する見込みです。そのため引き続き沈静化傾向を確認できる週になるのではないかと考えます。
※ ご注意1:全ての考察は過去の推移データを帰納的に予測に活用しただけであり、学術的なモデルではありません。
※ ご注意2:転載などはお勧めいたしません。何等かの2次利用については利用者様ご自身の責任となりますのでご注意ください。
※ ご注意3:ご活用の際は、必ず元データをイタリア公式データからご確認ください。
※ ご注意4:各種報道から判断すると、少なくとも3月上旬までイタリアでは新型コロナウィルス感染について、集計が徹底されていなかった形跡があります。そのため、本稿のデータもあくまでも「確認された人数」に過ぎず、一般の大規模な感染症と同様に全数は把握不可能であると思料致します。
(文責:田村和広)
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