情報検証研究所のブログ

オンラインサロン「ファクトチェック機関「情報検証研究所」」の活動や検証報告を公開します。

先週のフェイクニュース選(2020.3.29-4.3)

1、「4/1からロックダウン」(ネット情報)

3月末、ネット上で以下の情報が出回った。

「今晩 or 明日の晩に安倍総理の緊急会見があり、4/1からロックダウンという発表があるとのことです。期間は二週間~三週間で長引く可能性があるのでは...という見立てのようです。」

これは、制度的な知識がある程度あれば、見た途端に怪しいとわかるデマ。インフル特措法上、国が緊急事態宣言を行うが、地域ごとの外出制限などは都道府県知事の権限だ。。しかも、できることは要請・指示ぐらいで、欧米などでなされているような「ロックダウン」はできない。「安倍総理がロックダウンを発表」はありえない。

 

デマ情報を生んだ土壌として、ニュースやワイドショーで、欧米主要都市における強制的な移動制限や店舗閉店などを伴う「ロックダウン」の状況を繰り返し報じていたことも大きかった。

さらにその源流は、3月23日の小池東京都知事の会見での発言だ。

・「世界各地で都市が封鎖されている、いわゆるロックダウンをされている」

・「事態の今後の推移によりましては、都市の封鎖、いわゆるロックダウンなど、強力な措置をとらざるを得ない状況が出てくる可能性があります」

www.metro.tokyo.lg.jp

 

都民の危機意識を高めるメッセージだったのかもしれないが、正確性は欠いた。

 

 2、「布マスクはWHOが勧めていない」(朝日新聞原口一博議員)

 

「布マスク2枚配布」には批判が強い。朝日新聞は「布マスクは有効? WHOは『どんな状況でも勧めない』」との見出しの記事(4月2日)を出した。

 

digital.asahi.com

 

「感染実態解明 野党合同ヒアリング」(4月2日)では原口一博衆議院議員(国民民主党)が「布マスクはWHOが勧めていない。配るのはまずいのでないか」と厚労省担当者を追及。テレビのニュースなどで繰り返し、この場面が報じられた。

しかし、「WHOが勧めていない」は、誤読とまで言えないかもしれないが、少なくとも文脈が違う。

WHOのレポートでは、症状のない一般人は「マスクは必要ない」。一方、医療施設や自宅ケア時などには「マスクをすべき」としたうえで、「布マスクはどんな状況でも勧めない」だ。つまり、症状のない一般人にとって、布マスクが不適切といっているわけではない。

 

www.who.int

 

ちなみに、日本以外でも、医療用マスク・使い捨てマスクの品不足が続く中で、米国CDCは4月3日、国民に布マスク着用を推奨する旨公表した。

 

www.cdc.gov

 

「2枚配布」政策の是非はともかく、「布マスク」を否定するのは間違いだ。

 

3、「感染者の相当数は外国籍」(厚労省

3月末からネット上で「感染者の相当数は外国籍」とのグラフ付きの情報が出回った。これは、厚労省の公表資料の文面に不備。官製フェイクニュースだ。詳細は以下。

 

johokensho.hatenablog.com

 

 

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