情報検証研究所のブログ

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【検証:ステージⅢ指標と各都道府県の現状】 ~ステージⅢに最も近いのはどこか~

8月7日、新型コロナウイルス感染症対策分科会は感染拡大状況を四つのステージに分類する指標を発表しました。しかしその具体的内容は多岐にわたるため、総合判断を要する複雑なものでした。そのため、一般国民には少しわかりにくい内容となっておりましたので、メディアの切り取りと悪用を懸念しましたが、案の定テレビでは、「東京都がステージⅣの指標の一つに抵触した」として報道しているのを確認しました。
具体的な指標は9項目ありますので、1つが該当すると即ステージが昇格するわけではありません。現状は日本全体としては概ねステージⅡと推定されますが、ステージⅢに近い都道府県もありそうです。しかしどこがどれくらいの状況なのかを読み取るのは一苦労でした。
そこで、8月7日分科会が公表したデータに基づき、全9項目のうち「どの都道府県が何個くらい、ステージⅢの指標基準を満たしているのか」について、ビジュアルな資料にまとめました(図8/8)。(詳細は分科会発表資料最終頁の一覧表(数表)でご確認ください。)

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◆ ステージⅢに近い地域
 
図8/8の一番右上の一群は東京、愛知、福岡ですが、これらは9項目中の6個(67%)がステージⅢの基準に到達しております。その次に基準該当数が多いのが大阪と沖縄で5個(56%)です。
ただし、分科会が今回提示したのはあくまでも目安にすぎず、各自自体や政府で総合的に判断すべきものだということです。そのことは分科会が開示した資料でも、次のように明示されております。
“指標は目安であり、また、これらの指標をもって機械的に判断するのではなく、国や都道府県はこれらの指標を総合的に判断していただきたい。(8/7分科会公表資料より引用)”
最後に、誤導を回避するためにも、各項目の状況について、ステージⅢに近い10都府県のデータを抜粋した表を添付します(表1)。どうか“機械的”に判定せず、各状況についてのデータをご確認ください。

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(おわり)
 
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新型コロナウイルス感染症対策分科会(第5回)
日時:令和2年8月7日(金)

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona5.pdf

 

【文責:田村和広】

 

 


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