情報検証研究所のブログ

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【検証:大阪と北海道のCOVID-19 年齢階層別死亡者内訳】 ~ 70歳以上が83%を占め、40歳未満は0(5/24現在) ~

「高齢者(と基礎疾患のある方)にとってリスクが高い」と言われる新型コロナウィルスの“ハイリスク群”が本当はどのような状況なのか、死亡者の年代構成を検証しました。全国の状況はよくわかりませんが、大阪府と北海道は死亡者の年齢等基本情報も配信しているので、それらから非開示などを除いた有効な情報(143件)を基に構成比などを調べました。143件は、全国では820件にのぼる死亡者のうちの17.4%に過ぎませんがおおよその構成比率は把握できると考えました。
(データ引用元:大阪府及び北海道のウェブサイト上の発表資料。ここからの情報を筆者が集計。)

◆ 特徴1:70歳以上が83%

年齢階層で区切ると、その構成は表1の通り。

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イメージ通り、70代以降急速に件数が増える。70歳以上が占める構成比は83%となった。

これらをグラフにしたのが図1である。

 

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また、これらの構成比を円グラフに占めると図2の通り。

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◆ 特徴2:40歳未満が0


表1にある通り、大阪と北海道に関しては、40歳未満の死亡者が確認できなかった。(筆者が見落とした可能性もある。)
先日28歳の力士がなくなった報道があったが彼には基礎疾患があったという情報もある。いずれにしても5月24日の段階では、「若年層で死に至ることは稀なケース」と考えて良いだろう。
このような「若い死亡者はレアケース」という傾向は、米国でも変わらないらしい。
ワシントンポスト https://www.washingtonpost.com/health/2020/04/08/young-people-coronavirus-deaths/?fbclid=IwAR0athljMAT86Rqh4_83Bkueg_zEv-RvUsZnakARAjQPGuUQ-3lih1EBRRw )

 

◆ 特徴3:大阪と北海道で目立つ差が見られない

表1にある通り、大阪と北海道で、地域差は若干であり、目立った差がない。

 

◆ まとめ

仮に同じ構成比を全国に適用すると、70歳未満の死亡者は820人×17%=139人であり、若干の例外はあるとしても感染しても殆ど死亡には至らない。やはり、高齢者施設や医療機関への対策を充実させた上で、若年層の活動は通常の状態に戻しても大きな影響はないだろう。

以下は蛇足であり個人的な感じ方に過ぎないが、感染症防止に努める一方で、血管の劣化などをもたらす肥満を解消し喫煙を控える(やめる)など、自己の健康管理についての内省と、“死と寿命”をどのように捉えるべきかという日本社会の価値観の見直しを求められているのではないだろうか。

 

【文責:田村和広】

 

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