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【北海道が集中対策期間を約1か月再延長】 ~“集中力”は持続可能か~

北海道の鈴木知事は、新型コロナウイルスの対策期間を約1か月再延長する方針を表明しました。

新型コロナ対策期間を1か月延長 北海道の鈴木知事が表明(STVニュース北海道) - Yahoo!ニュース

これまで北海道では、地域を絞った時短・休業要請や地域間の往来自粛などの集中対策を行ってまいりましたが、度々延長する事態となっております。各種対策の期間は、最初は11月7日から始まり27日で終了予定したが、終了直前にこれを12月11日まで延長し、今回再び1か月程度の延長をする見込みとなりました。

新型コロナウイルス感染症について | 総合政策部政策局参事

 

◆ 横這いに近い緩降下
  
北海道の陽性者数は今週に入り、8日(火)204人、9日(水)197人と、予期したほどの低下はなく横ばいに近い緩降下傾向を示しております。陽性者数はあくまでも確認日ですので、それを14日ほど遡って仮に「実際の感染日」を推定すると11月24・25日となります。強いてこじつけるなら、その直前には11月21(土)・22(日)・23(祝)という三連休があり人の移動が増加したような報道はありました。もちろんそれが原因かどうかは不明です。また、寒さが本格化し始めている期間ですので、空間の密閉度も相対的には高まってきているなどの要素もあるかもしれません。(いずれも印象や想像に過ぎず、仮説でさえありません。)
現在の陽性者数の横這いは、結果として「2週間前、感染状況は横這いだった」のではないか、との推定に留めるべきデータです。

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◆ 対策として暖房費補助などの検討を
  
予算確保などが出来ればすぐに実施できそうな手段として、北海道をはじめとする寒冷地の大都市においては、空間の密閉度合を下げるために暖房費補助(寒冷地手当)などの対策を検討すべきではないかと考えます。
実体験としては仕事で複数回短期滞在した経験しかありませんが、冬の北海道の寒さは本当に厳しかったのを覚えております。国会が運営されている関東(以南)とは換気のハードルの高さが違うのではないかと感じます。「三密回避を」と自助努力を唱えるだけではなく、暖房費の増加懸念を緩和する補助も緊急避難的な政策として検討してもいいのではないかと考えます。(既に手が打たれているかもしれません。)
  
 
◆ “集中”はそう続けられない
  
集中対策を延長するのは止むを得ない面はありますが、経済的負担に加え“集中”対策の精神的な負担は大きいので、そうそう長期間は耐えられないのではないでしょうか。「やっと終わりと思ったらまた延長」を繰り返すダメージは小さくないと推量します。
北海道の方々の苦労が軽減されることを祈ります。
英国では本格的な打開策となりうるワクチン接種が始まりましたが、日本におけるワクチン供給がこの冬に実現する可能性は高くないようです。医療施設や行政機関に加えて国民各個人としても、感染者が大きく増加する現実的な「ワーストケース」も想定して備えることは大切でしょう。
  
 
(おわり)

 

【文責:田村和広】

 


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