【自殺者数の推移に注意】
NHKの報道によると、
”先月、自殺した人は全国で合わせて1805人で、去年の同じ時期より143人増えたことが分かりました。ことし7月以降、3か月連続で去年の同じ時期よりも増えていて、国は新型コロナウイルスの感染拡大などの影響について分析を進めています。（NHK報道「9月の自殺者 全国で1805人 女性が大幅に増加 警察庁」より）”
警察庁の開示情報で確認すると、昨年比に関する報道内容は事実ですが、過去5年と比較すると少し印象が変わります。（グラフ1および表1参照）
今のところ、絶対数では過去平均と殆ど違いがありません。
最も注意しなくてはならないのは前年比増加よりも「推移トレンドが例年と異なり右肩上がりの兆しがある」ことではないでしょうか。
昨年までの過去5年は、3月に最多となり、以降徐々に減少して行くトレンドでしたが、今年のここまでの推移は、やや右上がり傾向になっております。
このまま増加し続けることが無いように手を打つべきではないでしょうか。今後経済環境が一層悪化する可能性も十分高く、その場合、メンタルバランスを崩す人が増える可能性があるからです。
経済対策と同時に、こちらの面でのセイフティネットの充実を希望しますが、未然抑止を要望する世論は高まりそうにありません。せめてもの自助努力として、家族をはじめ周囲の方の様子に注意して行きたいと考えます。
なお本件テーマに関しては、いたずらに不安を煽るような、扇情的な報道が為されないことを祈ります。
（おわり）
【文責：田村和広】
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