情報検証研究所のブログ

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「夜の街」対策の評価と課題

 
 
 

ネット番組で本件に詳しい須田慎一郎さんから伺った話を踏まえ、私見です。

<前提>国と東京都の対策の現状

◇積極的PCR検査
◇感染防止ガイドライン、東京都「感染防止徹底宣言ステッカー」
◇感染者発生時は休業要請
◇休業協力金50万円(豊島区)
◇感染見舞金10万円(新宿区)
→さらに「戦略的なPCR検査の実施」「メリハリのきいた感染防止対策」「保健所機能の強化」を進める方針(7月10日、西村大臣・小池知事ら会談で方針決定)。
 

1、現状評価

◆PCR検査は基本的に従業員が対象で、感染発生した店舗の客への連絡は十分なされていない可能性がある。
ガイドラインは実態からかけ離れ、多くの店舗で遵守されていない可能性がある。
◆休業要請には応じない店舗が多い(協力金50万円では家賃にもならず無意味)と考えられる。


以上はあくまで須田さんの取材結果に基づき、行政による更なる実態把握が必要と思いますが、仮にこれらが現実とすれば、これまでの対策を強化しても有効性は疑問です。

・PCR検査を増やしても、客を通じた感染拡大は防止できない可能性がある、
・休業要請を出しても、営業継続の可能性が高い、など。


2、検討すべき課題

◆店舗の経営者・従業員が、「感染しても仕方ない」との意識ではなく、感染防止を徹底するように仕向ける制度設計を検討すべき。選択肢として、感染防止の徹底に向けたインセンティブの設計、優良店舗の公表、強制的な義務付け、など。
◆新宿区・豊島区に限らず、客の追跡・検査の体制整備。
◆実態に即したガイドラインの改訂。
◆感染防止しつつ楽しめる新方式の開発・普及支援。

私自身は「夜の街」ファンではありませんが、そこで生活の糧を得る人たち、そうした店を楽しみたい人たちの利益を最大限守りつつ(「夜の街は全面封鎖」といった方策に走るのではなく)、より有効な感染防止を図る余地があると思います。

 

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【文責:原英史】

 

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